ハウルの動く城

2004年10月30日 映画
もうすぐ公開ですねぇ〜。

映画館で予告編を見るたびに、
宮崎アニメには珍しく、なんだかいい男がたくさん出てくるなぁ♪と思っていたら、
あれって全部ハウルなんですね:-)

髪の色が自在にというか魔法の属性か何かで変わるらしい。
なんだか、萩尾望都の「スターレッド」のエルグみたい。
(古)…?あ、あれは目の色だったか。

キムタクがマズイとかいう噂もありますが
前評判の静かさに、もしかしたらこけるのかもという予感もありますが、
そういうものこそハマってしまうヒネクレもんなので
ほんと楽しみです。

楽しみと言えば、ゲーム・キングダムハーツ?は、ムーランが登場するし、FF12はキャラ萌え(バルフレアが素敵)、兄弟萌え、友情萌え、悲恋萌え、てんこ盛りみたいで、どうやら2005年は妄想の一年の予感です(^_^)。
DVD発売日ということで、改めて。

ブラピは特に好きでも嫌いでも、個人的恨みもないのですが、
キムタクがなにを演じてもキムタクなように、
ブラピは何を演じてもブラピ。
ということで横に置いときましょう(苦笑)。

兄弟ネタが好きな方は必見です。
しかし、感動しようなんて思っちゃいけません。
これは「いい男」を見てビジュアル的に満足し、
隙だらけのキャラとストーリーに突っ込みを入れて楽しむのが正解かと。

いい歳してあんまりのアホぶりの弟・パリスちゃんを
苦しげにかばう兄・ヘクトルの苦悩を鑑賞するのがツボ。
息巻いて決闘に臨んだものの、怖じ気づいて
おにーちゃんのおみ足にとりついて命乞いの愚弟。
ヘタレな弟をかばい、禁じ手の決闘介入するヘクトル兄ちゃん。
ああ、エリック・バナ良すぎです…(ため息)

2時間43分という長尺なので、膀胱が小さい私には拷問のような映画なのですが、アキレスとヘクトルの一騎打ちまでは我慢しました(^_^;)(自分を褒めたい)。
しかしその後は野となれ山となれとトイレへダッシュ。
よって約5分間だけ、見てない所がある:-)

あとは私的にはほんとうにどうでもいい展開でしたが。

もいちど、ヘクトルさんの悩む姿をDVDで拝むことにします(笑)。

魔王

2004年10月21日 映画
いやー久しぶりに面白い映画見ました。
J.マルコビッチ主演というところから、
健全な映画を期待しちゃいかんだろーと構えて見てましたが、
意外と健全(?)だったかも…

第二次世界大戦下のフランスとドイツのあいだで
生来の純粋さ故に生き長らえたフランス人の捕虜のお話。

幼少のころから「不思議ちゃん」だったその男はいじめられっ子。
自分の「学校が燃えてなくなればいい」という願望が偶然現実になったことで「自分は神に守られている」と深く信じ込むようになる。

大人になってもその「信心」は捨てられず、大人になりきれない。
故に純粋な子どもたちと交流することを楽しみとしているんだけど、世間にはunusualな性癖に見えてしまうところが哀しい。
正直、そこまでは私もマルコビッチがいつ少女に手を出すのか、
とハラハラしてしまいました(苦笑)。

で、案の定未成年暴行容疑(ぬれぎぬ)で逮捕される。
刑事たちに自分の顔を鏡で見せられ
「これは紛れもなく犯罪者の顔だ」と自分で納得してしまうシーンがあってなんだかすこし哀しい笑いがこみ上げた。

罪を償うためにフランス軍に従軍しているうちに
あっけなくドイツ軍の捕虜になる。
捕虜のキャンプ地は極寒の地なのだけれど、
自然と会話できる純粋な彼にとってはパラダイスのようなもので、ドイツの将校が管理している山小屋に入り込んで大きなヘラジカに出会い、対話するシーンは実に荘厳だし、彼の純粋な目を通して見せられる将校たちの「狩り」のくだりは残酷で秀逸だ。

優しく従順な彼はドイツ人に気に入られ、農村の少年たちをスカウトしてギムナジウム(実は少年兵の訓練所)に入れる役割を与えられて「魔王」と怖れられる。

「純粋」な彼がドイツ陥落を肌で感じ
初めて自分の意志で、大切な彼の少年たちを守るために
「回れ右をして早く逃げろ!」と叫ぶシーンでは震えが来た。

ベストセラーの映画版らしいのですが、
タイトルから内容が察しにくいのが玉に瑕ですね。
でも、いいもの見せてもらいました。

ムーラン 2

2004年10月18日 映画
予告映像が綺麗で、本国のサイトでスクリーンショットを見る限り、まぁまぁ期待して良いのでは、と予約してしまいました。

綺麗なのは予告映像だけ、ってのも考えられますがね…
多少所々ヘタクソな絵が入っても、ストーリーが良ければ良しとしましょうか。

アラジンとかリトルマーメイドなんか、数字的には続編も成功した類でしょうけど、アラジンの続編はあんまり認めたくないなぁ。
3作とも見てしまったけど、私的には脳内削除対象作品です。

リトルマーメイドは、かわいかったアリエルが「母」になってしまったところですでにがっくりくる人もいるのでは?
海に憧れ、出奔した娘を捜しに再び人魚になるシーンがあるんだけど、「か、体のラインは大丈夫だろうか?」
と余計な心配しちゃいました(^^;)。
お話的には、子を持つ母、親元から離れていく子どもの心理がよく描かれていて良かったんだけど。

やっぱり、絵の手抜きがひどい。

特にロングショットでモブシーンを描く人がダメかも。
アリエルが娘を思って歌うシーンもなんか笑っちゃったよ。

他の続編ものでは、「シンデレラ」がさー。
なんか、ただの策略家のおばさんになってて…(-_-)

ブラベアの続編のイメージってことで
なぜかオランダのサイトから流出した絵をみてショック。
クマ・キナイが数匹の子熊たちとりつかれて遊ばれている…
しかし一緒にいるコーダは成長してない…
激しくつまんなそうだぞ。
ちょっとちょっとぉ〜!!
と思ったら、すぐfake artだってことがわかってホッ。

私的には、あちらの一般人がすんなり受け入れられないくらいの異色作を期待してるんですけどねぇ…。
今のデ社にはそんな余裕ないかも。
つーことはやっぱり一般ファミリー向けねらいで…???
なんだか情報が入るたびにどきどきしっぱなしです。
クリストファーつながりで、my darling、クリストファー・ウォーケン(関係ない)。

ディア・ハンターで彼に取り憑かれ、
普段は見ないであろういろんなジャンルの映画を見させて頂きました。
傑作、佳作、駄作(←がほとんど)。
…クリス、作品選べよ!

ゴッド・アーミーは未見(ファンの風上にも置けん)ですが
良かったのは以下の数本。

ローズランド
ディア・ハンター
戦争の犬たち(話はつまんねーけどめっちゃ綺麗だった♪)
デッド・ゾーン
天国の門
ミラグロ・ビーンフィールド・ウォー
ブルースがきこえる(マシューブロデリックとの絡みが素敵!)
007/美しき獲物たち(敵役で登場。なんかカワイイ)
スリーピーホロウ(首無し騎士さいこー!)

で、この中で最高にはまったのが「デッド・ゾーン」ですねぇ。
何回見たか分かりません。
おなじみ、人生の嫌〜な部分をえぐり出すのが大得意なスティーブン・キング原作。

交通事故がきっかけで予知能力を身につけた地味で平凡な男の話なんだけど、見終わったときには号泣もん。
恋人も職も失い、平凡で幸福な生活からも見放されて孤独に過ごすジョニーと、冬の冷え冷えとした景色がシンクロして、切なくて切なくて。
ウォーケンの演技も神懸かり的で、特に、猟奇殺人の現場であるあずまやで、被害者の記憶をフラッシュバックさせる場面は背筋がぞわぞわ〜っとしてしまうほど。
これは映画史に残る名場面でしょう。

元、恋人のサラはジョニー(ウォーケン)が長い昏睡状態の間、
他の男と結婚してしまうんだけど、
あることがきっかけで彼女のご主人と出会ってしまう場面がある。
この男がまた、オールアメリカンって感じの、嫌みなくらい健康的な人というのがまた…。
罪な演出です。

時折見せる、ジョニーの少年の様な笑顔が痛々しい。

CGだらけの昨今の映画にうんざりした方に、地味に丁寧にドラマしているおすすめの一本です。

ある日どこかで

2004年10月12日 映画
スーパーマン=クリストファー・リーブが亡くなった。
9年前の落馬事故以来、懸命にリハビリを続ける姿をTVのドキュメンタリーで見かけた。
有名人だから財力もあるし、一般人だったらとっくにあきらめることにも挑戦して、家族と共に懸命に生きていた。
52歳という年齢だったけれど、素晴らしい家族にに恵まれた、ある意味幸せな死だと思う。

その彼がスーパーマン以降に出演した、貴重なストレートプレイ。(ある意味これもコスプレか?)

小説家の主人公がホテルのロビーに飾ってある
一枚の女優の写真に魅了される。
数年前老婆に「わたしの所へ戻ってきて」と渡された懐中時計をもつ彼。
女優のまなざしに取り憑かれた彼は極限状態から彼女の時代にタイムスリップすることに…

女優を演じる、ジェーン・セイモアが美しい。
本当に、美しい。
青と、緑のオッドアイが神秘的だ。
後にも先にも、彼女以上に綺麗な女優は現れないと思う。
その彼女の演じる女優の視線の先にあったものは…!
ぞくっとするような、2人の運命の出会いと別れに心酔しますよ、ほんとに。

C.リーブ。いい役者さんでした。
素敵な物語をありがとう。
ご冥福をお祈りします。
(≧∇≦)ぶぁっはっはっ!!
く、苦し〜笑いすぎ…
笑いをかみ殺して見てたけど、
ラスト「鼻水の滝」見たら爆発してしまいました〜
も〜クロンクさいこーです。おもしろいよ、アンタ!!!

肩の力抜けてて、ギャグもほんっとにくだらなくて
最高に笑えます。

なんで今まで見なかったのかな?
これもブエナビスタの宣伝のせ…(以下略)

今回は日本語で鑑賞。
藤原君がちょっとアレだったので
英語でも見てみよう♪
「天使にラブソングを」と比較されることが多いのでは、という
ジャンルの映画。
ただ、根本的に違っているのは、こども達。
彼らには、基本的に何の問題もないという点だ。
彼らは、きちんと家族から愛されているし、劣等生でもない。
自覚すべきコンプレックスにも気づいていない。
つまり、主人公が学校に入っていって、ロック魂をたたき込む
決定的な「動機」が皆無なのだ。

そんな彼らの前に現れたのは、保身(金稼ぎ)だけを目的に
学校に「潜入」した偽教員。
おまけに彼はこども達を「利用」し、嘘をついて
賞金稼ぎを目的にロックバンドを結成させる。
まるで「こち亀」の両さんんみたいだよ(笑)。

字面だけで見ると、主人公はなんと身勝手な人間か、としか思えないし、ストーリーは隙だらけで弱い。

だけど、「こんなことあるかよ」と冷めた目で見つつも
ついついクスリと笑ってしまったり、ハラハラさせられたり、
最後まで引きつけられるのは、やはりジャック・ブラックの演技力!&迫力(笑)。
ホンモノのロッカー崩れかと思えば、実生活ではアコースティックギターしか弾けなかったというから驚愕。
加えてJ・キューザックの名演(美人なのにコメディ演技は抜群!)、こども達の「素」の可愛らしさに心がほんわり温まった。

愛と死の間で

2004年9月24日 映画
親類が亡くなったのでそれつながりで。

輪廻をテーマにした映画ですね、一言で言えば。
ストーリーは見りゃわかるので省略(苦笑)。
この手の映画をあれこれ説明するのは好きじゃない。

離婚前のエマ・トンプソン(トリロニーせんせ)とケネス・ブラナー(ロックハートせんせ)の息の合った演技と、無駄のない演出(ブラナー監督)が素晴らしい。
見たのはずいぶん前ですが、今見てもサスペンスとしても一級品の出来でしょう。

コレを見て以来、私は「輪廻」を薄々信じるようになって、
「死」の恐怖から逃れたような気がする。

肉体は仮の宿。
魂がエネルギー体だとするなら、肉体が消滅したあとでも
エネルギー保存の法則に従いなんらかの形で宇宙に残るはず。
あるものは姿を変え、あるものは住処を替えて、輪廻を続けるはずだ、と。
馬鹿な考えかも知れないけど、人の死に直面すると、
そうあって欲しいと思ってしまう。
ついに出ましたね。
(発売日は23日ですが)
DVDBOXセットが…

これまでにどれだけマニアは「半端もん」を買わされたのでしょうか(苦笑)。
ほんと、商売上手。

リアル世代の私は、オリジナル公開版がやはり原点なので
それほどときめかないですねぇ〜。
特撮がショボくても、いまさらキレーに修正したからって
ストーリーが変わる訳じゃないし。

あーでも、EP6はほんとつまんなかったから、どんどん修正かけてほしいかも(苦笑)。
ベイダーはヘイデンの顔にすげ替えられるそうで、まぁ当たり前と言えば当たり前か。
あんな丸顔でつやつやのアンパンマン顔じゃねぇ〜。

リアルに見てたわたしたちは、今までお金払って偽物を見せられていたのですねぇ。
思いは複雑です。
んもーすんごく良いです♪
ひょっとしてDVD買っちゃうと所有してることの安心感から
さっぱり見ないでお蔵入りかと思ってましたが
…毎日見てます(爆)

点数つけると5点満点中どうしても譲れない欠点があって4点どまりですがディズニーアニメの中ではダントツ一位ですっ!!!

子どもには難しい?
そおねー声高にテーマを歌い上げないと
アレですかね、やっぱ。

分からんやつは見んでよし。
もったいないからね。

続編の声もあるようですが
どうせやるなら3部作にして!
キナイがクマ寿命を全うし(号泣)、
デナヒが狼になる(=グレイトスピリット化)するまで…(死)
夏休み最後ということで、
こども達をつれて映画館へ。
開始予定時刻の45分前に行ったら
既に満席。
子ども映画を侮るなかれ、ですねぇ。

仕方なく時間つぶしをして次回の上映へ。

で、感想。

くだらないです。

もんのすご〜く、くだらないです。

「TRICK」のときも思いましたが、
フジの宣伝力は半端じゃないですね。
そこだけ、妙に感心してしまいました。

どこかで見たような人が、殆ど素のままカメラの前に立ってる。
ただそれだけの代物です。

お金返してください。
2年前、蜷川演出で上演されたものの再演。
それをギリシャ悲劇の出生地で上演したもの。
今回は上演時間も短めに、タイトでわかりやすく再構成されている。

んー、話が分かりやすくなってるのはいいのだけど、
萬斎の演技自体がさほど良くないというか、
私的には前の方が良かった気が。
まず、以前はビンビン感じた生来のオーラが陰を潜めちゃってる。
「存在感」がないんです。
加えて声の演技が酷い。
声域の広いのはわかったから、それをコントロールして欲しい。
聞き苦しいんです、ほんとーに。

前回もだったけど、
オイディプスが目をつぶしてから再登場するときの
コロスが驚愕してスローモーションで逃げてくシーンは
笑えます、マジ。
狙ってますか?

キーキー騒いで転げ回るオイディプスに
気のせいか、観客席から失笑が漏れたような…
スタンディングオベーションもほんとかいな、というのが
正直な感想です、ハイ。(^_^;)
とうとう日本版のDVDが発売になりました!
愛すべき3兄弟と再会できると思うと嬉しくてニンマリしちゃいます〜(病気だ)。

DVDといえば特典、特典といえばDVD(嘘)。
待ちに待ったNG集の封切りです。
ぐぁ〜ななななんなんだ、このNG集は〜!
お、面白すぎる…(涙)。
もしかして、日本の腐女子をマーケティングして作りましたか?
子どもと一緒にひっくり返りながらリピして見ちゃった。
あーでも、欲を言えば、キナイがカヌーもって岩へ飛び移り損ねたときは、デナヒに手を下して欲しかったかも(笑)。

DVDで初見の方へ。
決して特典映像からみちゃいけませんよ!!!

ちょっと辛い意見ですけれど、
DVDで家庭で鑑賞するという状況の場合、
シネスコサイズからワイドに切り替わるという演出はあまり…
テレビじゃ画面が小さすぎるからちょっと悲しくなってしまうんです(-_-)。
劇場公開時も、この演出がさして効果的とは言えなかったので、
色調を変えるだけで十分なんじゃ…と思った次第。

でも、出来るだけ沢山の人に見てもらいたいな。

シュレック2

2004年8月23日 映画
前作を見てないのどうかなと思いましたが、
暇だったので見に行きました。
子ども連れなので吹き替えで。

すごーく面白かったですよ、単純に。
特に、60〜70年代生まれで映画好きにはたまらない
分かる人には分かるパロディの連続!

猫ちゃんがかわゆくて笑える。
ただ、竹中直人の声ってすぐわかっちゃって、
あーあの頭の薄いオサーンなのか…と思うとちと興ざめ。
バンデラスが声を当ててることに価値があるのではないでしょか?
ヘタクソでもいいからセクシーなイケメン俳優に当てさせたら良かったのにね。

ひとつ思ったのは、魔法の薬で一時期フィオナが元の姿に戻ったときは妙にホッとしたんですよ。
やぱ、ぶっ通しで怪物の姫さんは、一般ピープルには辛いようです。
おひめさまは、「本当は」綺麗でないとね…(複雑)

陰陽師 2

2004年8月9日 映画
狂言師・野村萬斎を世に知らしめた映画「陰陽師」に続く第二弾。

前作を見た時は、日本人に生まれてよかった!眼福じゃ!と思ったもの。
それぐらい萬斎の存在感がすごい映画でした。
(映画自体はヘタレでしたが)
勢いあまって本職の方を生で見に行ったりした。

で、期待の第二弾だが、これがいけない。
なにがいけないかというと、全体に漂う緊張感の無さ。
若手の女優・俳優が大根なのはもう目をつぶりましょう。
しょうがないです。観客を呼べる俳優の層が薄いのだから。

脚本もヘタレだが演出も馴れ合いの中で行われた感じが強く、
内輪受けのギャグも寒いだけなのよ。

原作者の煩悩を実現させた形の「女舞」は見事にこけている。
今回WOWOWで放映されたけど、こっぱずかしくてとても家族で見られる内容の物ではないです、はい。

博雅「愛の告白シーン」(笑)など、いいシーンもあるのに実にもったいない一品デス。

つまらん映画は容赦なく消す旦那はだまって最後まで見てたけど、もしかしてはまったのかしら…(謎)。
まさか、女舞に!???
毎年恒例のポケモン映画。
毎回それなりに良くできてはいるけれど、近頃マンネリ気味。

初めて見たポケモン映画は「ミュウ2の逆襲」。
ポケモンショックの前だったか、テレビ放映で見たときは
不覚にも涙してしまった。
愛もなく創造されてしまったミュウ2の孤独と悲しみ。
アイデンティティを無視して複製し続ける、身勝手な人間に対する憎しみ。
そして、存在する1分の1の自分を受け入れるクローンポケモンたちの健気な哀しさ。
その完成度の高さは、その後の作品のどれも超えることは出来ていなかった。

今回のデオキシスは、ルックス的にも可愛くはないし、勝手に切れて攻撃するレックウザにただただ迎撃し街を破壊する、危うい生物、いや怪獣だ。
けれど、このアニメ映画を子ども向けとして素直に見られる工夫がまんべんなく仕掛けられていて、その完成度に感心してしまう。
なんにしろ、観客が最初から最後までこれほどに沸く映画は希なのだ。
殺戮のシーンもソフトで教育以上マズイシーンもあまり無く、
絵の一枚一枚が美しい。
登場人物も髪の先まで美しい。
親子で安心して見られる一本。
特に思い入れは無いけど、
これがまあまあ好きっていうことは、
「フツー」ってことかな(苦笑)。
小学生の頃、見てトイレに行けなくなった。
その私が、独りで見られるようになったんだから、
私も立派な大人になったもんです(苦笑)。

子どもの頃ビビッたベッドガタガタシーンとか、
緑のげろ吐きとか、首一回転とか、
白目むき出しとか、その辺はヘーキになりましたねぇ。
むしろ滑稽というか…
今回の放映はデジタルリマスター版らしいので
画面がみょーに明るくてシャープ過ぎて、
あの、メリー神父登場シーンも湿った感じが足りなくて恐怖感もいまいち。
やっぱフィルムのあのざらざら感って、当時かな〜り恐怖感のお手伝いをしてたと思いますね。

それよりも、リーガンが失禁しちゃうシーンとか、
病院で検査受けてる時の方が怖かった。
まがりなりにも母になってる私なので、
子どもに突然訪れる異変というのがやはり何よりも恐ろしいのです。

この映画じゃキリスト教的な「悪魔」ってことになってるけど
一番恐ろしいのはやはり人間の心の闇なのです。
予告編を見て、そこですでにぞくぞくするような期待感。
「ブラベア」同様、くまにトランスフォームしてしまうイヌイットの少年のお話だ。

もしかしたら、「ブラベア」の世界観を補足してくれるような、
感動の相乗効果を期待して子供らの夏休みを目の前に滑り込み鑑賞。

…だけど、ちょっと違ったかも。
まず、白くまがイヌイットの赤ちゃんを育てることになったきっかけが気にくわない。
だって、「誘拐」なんだもの。
「アイスエイジ」のような、不可抗力ならいざ知らず。
生まれたばかりの抵抗力のない裸ん坊の赤子を氷海に連れ出すなんて許せないのだ、人間として。
父熊曰く「母親の悲しみが怖い」…あたりめーだ。

それにこの母熊、ちびクマに捕らせた餌を真っ先に食べちゃうのがね…。なんか悲しいですよお。
毛皮のない人間の子どもに氷海にもぐってアザラシ捕れだの、
あんたあまりに鬼母ちゃう?
それが自然の厳しさなんだっていわれりゃそれまでだけど、
やっぱ所詮けものだわ、人間の生活の方がいいよ、とか思ってしまうのはいけないことかしら。

奇しくも同じ時間に死に、生まれたくまと人間の子どもの運命の物語っていえばまああれだけど、
「精霊」を半ば迷信としてしまっているイヌイットの中途半端な世界は、なんだか既にあまり魅力的でないのでした。

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