自分の子ども時代をふりかえってみると、
自由だった。

行動の制限、自分で使える時間の制限というのは
それなりにあったと思うのだが、
少なくとも、現代の子どもよりかなりの開放感があった。

それは、大人が子どもの行動に無関心だったから。
いや、その当時もリッチで教育熱心な母たちはいた。
しかしそれも少数派だったろう。
多くは、家庭を切り盛りし、親戚づきあいや老親の介護で手一杯の大人たちだ。

私などはほったらかしである。
最低限の躾のみで学校デビュー。
エクステンデッドファミリーで育ったから
大人びててワガママで嫌な餓鬼だったろう。
「空気」は当然読まなかった。
友達同士で言いたいこと言いたい放題。
喧嘩もした。
いじめもした。
いじめられもした。

しかし、子ども同士のことで
大人たちが争ったり問題を提起することはいっさい無かった。
大人が子どもの悪口を言うことも無かった。

受験時においても家族はいっさい気遣いはなかった。
特別扱いはゼロである。
季節ごとの家族の行事にはもちろん子どもも巻き込むし
家の手伝いだってさせられる。
もちっと気遣えよと何度思ったことか。

もっともそれは田舎の話だけれども。

誰だって自分の子は可愛いし護ることが親の義務だとは思うのだが、
それが最近、「劇場化」してないだろうか。
子どもへの愛情は見せ物でもないし
他人と比べておどおどしたり卑屈になったり優越感に浸ったりするもんでもないはず。

人口密集地の子育ては常に劇場型だ。
常に人目にさらされた「愛」のシャワーに対して
子どもは成果という形で「愛」を即座に返さなくちゃならないような雰囲気が出来上がってる。

子どもたちは本当に気の毒である。
人間はいつまでも純粋ではいられない。
愛を借りっぱなしにして踏み倒すことも有りだろう。
そんな迷いも、「心配」という名の監視が許さない。

私は無関心な親だが周囲からかなり浮いていると思う。
少々不安もあるのだが、これでいい。
親には親の生活があり、
子どもには子どもの世界がある。
今、思春期にある娘の世界で私は完全なるモブである。
正直寂しい思いはあるが、それを受け入れるのも、親の覚悟だと思うことにする。

コメント

マサムネ
マサムネ
2008年7月23日8:25

書き込みありがとうございました。マサムネです。遅ればせな

がらカラー配色もお借りした事をお伝えします。

私も似たような環境で育ちました。同じように子供もいます

(まだちいさいですけど)

最近の親御さんは子供を自分たちの資産かなにかと勘違い

してる気がします。生き物であって考えがあって行動が

あって意思がある(あるのかな?)ものだという自覚が足りな

いと思います。昔なら過保護な親が増えた。といえばいいんで

しょうけど、それ以上にちょっと変な行動を取る親が多いです

どうにかしないといけないんですけどね。

とりあえず私の周りにいる他人の子供で常軌を逸脱すると

「コラ!!」と怒鳴りますけどね。

私が変な目で見られるのは日常茶飯事です。

でも、それ以上に子供が変なオトナになって欲しくないのです

モモ
モモ
2008年7月23日16:38

私の子供時代も限りなく自由でした。
おまけに一人っ子だったから、とてつもなくフリーダム。
親に愛されてないんじゃないかと恨んだこともあったけど
いつも独りだったから、今の自分があるのです。感謝しています。
同じような親にしかなれないから、やっぱり私も周りから浮いてます。
そして、それでいい(望むところよ!)と、思っています。

エーコ
エーコ
2008年7月24日7:41

>マサムネさん
コメントありがとうございます!共感していただけて嬉しいです。
>それ以上にちょっと変な行動を取る親が多いです
そうなんです〜。過保護というか…たとえばクラス替えのメンバー構成にクレームつけたり、幼稚園時代なんかは遊び相手を親が限定したり…「全く」理解が出来ないです。
子どもには適応能力というものがあるし、嫌なことで傷ついても修復してステップアップできる(というかそういう経験からしか成長できない)。どんだけ子どもなめとんのか、と(笑)。
突き放すことがベストじゃないですが、ある程度の距離感を持って見守りたいと思っています。

>モモさん
モモさん、一人っ子さんなんですねー。
一人娘さんを「自由に」お育てになったご両親、尊敬いたします。
>親に愛されてないんじゃないかと恨んだこともあったけど
わかりますー
私もそういうことありました。子どもをもつと親の心が分かる、といいますが、私は逆に恨みが増しましたね(爆)
田舎から出てきたとき、「丁寧に」育てられた毛並みの良い子女を目の当たりにして自分の駄馬ぶりに嫌気もさしましたけど…
でも、どんなに荒んでも人を殺めたり自分を傷つけたりしないブレーキを作ってくれたのは両親だと思っています。
>同じような親にしかなれないから
全く同感です。
教育不熱心なのもやっぱりそのせい。
でも、親が「教育」してあげられることって、「勉学」ではないと思うので、これも別にイイと思ってます。
周囲から浮くのはちょっと辛いこともありますね。
「独り力」のあるフリーダムな友人もいるので
たま〜に顔を合わせてはフリーダムぶりを報告しています。