「銀魂」といえば、他に類を見ないネームの多い漫画である。
絵も雑だしコマはこびもちまちましていて、
こなれた作画を見慣れたコミックファンにとっては実に読みにくく、
初めて読んだときには
「ちょっとさぁ、手塚治虫の漫画読んで出直した方がいいなじゃないのお?」と思ったものである。

一巻分をきっちり読むと、なんと小一時間かかってしまうのだから驚きだ。(私が遅すぎ?)
読後の疲労感もハンパじゃないが
何故か後を引く。
癖になる。
そのときにはもう空知ワールドにどっぷりはまっている(笑)。

軽妙なダイアローグのやりとりはまるで
舞台劇の「脚本」と呼ぶにふさわしいし
あっさりした画面構成にもかかわらず
ちまちまと細部に書き込まれた人物の行動や表情が
たまらなく愛おしく感じる。

作者は器用な作家じゃないが、この漫画同様、
他の少年漫画に迎合しない一本通った筋(魂)を感じるし
私も含めて他のファンの人も同じ思いだと思う。

19巻は面白い。
今までになく読みやすい。
コマ割も手だれた感じが出てきたし
アクション表現も大胆になって
何が起こっているのかわかりやすくなった(笑)。
これは喜ぶべき変化なのだろうけど何か違和感を感じた。

真選組(新選組)の存在する江戸が舞台ではあるのだけれど、
真選組はあくまでスパイス的存在であってほしい。
「動乱篇」はかれらの最後のクライマックスであり
これで決着を付けて欲しいというのが本音かも。

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