第6章 ドラコの回り道(Draco’s detour)
<その1>
ハリーは隠れ家の中という制限の中ではありましたが、あとの数週間をロン、ハーマイオニー、ジーニーと果樹園で2対2でクイディッチをしたりして何事もなく平穏にすごしました。
世間ではやはり殺人事件が起きており、時折ビルやウィーズリー氏がProphet誌が届くよりも早く、その事件の内容を教えてくれたりもしました。
ハリーの16才の誕生日は、以前よりも一層精気を失いやつれ果ててみすぼらしくなったルーピンの登場で雰囲気ぶちこわしに(涙)。
ルーピンによるとまたディメンターによる新たな事件が2件発生した、という。
北部の小屋の中で、アイガー・カラカロフの遺体が見つかり、それ以前から闇の刻印も見つかっていた。
ウィーズリー氏によると、シリウスの弟であるレギュラスでさえ、刻印されてから数日しか持たなかったのに、カラカロフは一年も持った。驚くべき事だ、と言います。
同じように、ダイアゴン横町でも事件は起きていました。
フロリアン・フォーテスキュー(アイスクリーム屋さん)。
オリヴェンダーの店。(魔法の杖店)。
ともに主人が行方不明。
魔法の杖は他でも調達できますが、オリヴェンダーが一流のお店なのです。(byルーピン)
誕生日の翌日、ホグワーツから書類と新しい教科書のリストが届きます。
ハリーはクイディッチのキャプテンに任命され、キラキラ輝くバッジを手に入れました。
ハーマイオニーによると、ハーマイオニーたち監督生たちと同様の特権を手に入れることが出来るらしい。
そのひとつは、特別な浴室を使うことが出来ること、らしい。
リストをみて、ウィーズリー夫人は早くダイアゴン横町へ出かけて必要なものをそろえなければ、と言います。
今度の土曜日、ウィーズリー氏を伴って出かけることに。
ロンは「アイスクリーム屋さんの棚の影から、例のあの人が出てきたりしないよね?」などと怯えてウィーズリー夫人から叱られてしまいます。
「じゃぁ私が代わりに買ってきてあげましょうか」
「やだ、フレッドとジョージのお店に行きたいんだもん」
土曜日の朝、みんな緊張している中、ビルがハリーにお金で一杯の袋を渡します。
ビルはハリーの代わりに、金庫にお金を取りに行ってくれたのです。
それも、通常はとても時間がかかるところを特別待遇で処理してもらったらしい。
ビルがいる間はフルールの相手をしなくていいのでみんなは助かっています。(笑)
お礼を言うハリー。
フルールは「この人ったらとっても思慮深いのよ♪」とビルの鼻をナデナデ。
その後ろでジニーはオエっという仕草をしてハリーは思わず吹き出しそうに。
その日はどんよりした雰囲気の日。
警戒態勢下のため、魔法省から調達した2シートのゴージャスな車が用意されます。
それはウィーズリー家のためではなく、「選ばれし者であるハリーの安全のため」なんだとか。
ハリーはaurorたちに大げさにガードされた状態での買い物は気が進みません。
ハリーはダンブルドアに言われたとおりに隠れ蓑コートをリュックに詰めて携帯しています。
やがてダイアゴン横町の「漏れ鍋屋」のそばで車が停車します。車はここで彼らの買い物が済むのを待つようです。
時間は2時間、とウィーズリー氏。
ハグリッドが現れます。相変わらずの骨の折れそうなハグを交わします。
「安全策って、ハグリッドのことだったんだね!」とハリー。
「魔法省の連中はaurorどもを送ってよこすと言ったんだが、ダンブルドアが、この俺がやるからいいって言ってくれたのさ」と嬉しそうに言うハグリッド。
「漏れ鍋屋」はハリーが初めて訪れたときとは大分様子が変わっていました。
店主のトムは憂鬱そうで、ハリーたちがただ通り過ぎるだけだと分かると、黙々とグラスを磨き始めます。
ダイアゴン横町自体が様変わりしていました。以前の様な活気は無く、店のディスプレイも魔法省の警告の張り紙やベラトリクス・レストランジェの動く指名手配写真で隠れてしまっています。
窓が閉まっている店もあります。一方、みすぼらしい小屋が何件も立ち並んでいます。
「オオカミ人間、ディメンター、インフェリに効果的」というメモが貼ってある店も。
怪しげな店の主人がジニーに首飾りを奨めると
ウィーズリー氏は「勤務中だったらただではおかない」と怒ります。
今は取りあえず時間が無いので、マダム・マルキンの店で新しいローブを手に入れなければなりません。
皆で同じ所に行くのは効率が悪いので、夫人の提案で子どもたちはハリー、ハーマイオニー、ロンはハグリッドと行動を共にしてもらい、ジニーと両親はみんなの分の教科書を買いに行くことに。
ウィーズリー氏は心配でしたが、ハグリッドは快諾し、別行動に移ります。
ダイアゴン横町を行き過ぎる人々は皆、足早で何かに怯えているよう。みんなグループ行動をしており、一人でいる者はいません。
マダム・マルキンの店に入ると、何やら聞き覚えのある声。
「子どもじゃないんだから、お母さん。自分の買い物くらい自分で出来るって」
「お母様は正しいですわ。もはや、お一人でうろうろ歩き回ってはいけないんです。
子ども扱いとか、そういうことでは−」とマダム・マルキン。
「いいから、ピンを刺さないように気をつけろ!」
マルフォイが、立派なグリーンのローブを身につけ、鏡に映る姿をチェックしていました。
ハリーたちに気づき、
「なんか臭うと思ったら、お母さん『汚れた血』が入ってきたよ」
マダム・マルキンがマルフォイに言葉を慎むように注意し、ハリーたちが杖をマルフォイに向けているのを見て、店で杖を抜くのは許さないと言います。
ハーマイオニーは、ハリーを止めようとします。
ナルシッサはハリーたちの元へやってきて、止めないと最後の手段を使わなければならないと言います。
ハリーは歩み寄ってベラトリクスと似たその傲慢で青白い顔をのぞき込み、
「へぇ、デス・イーターのお友達を送ってよこすってか?」と凄みます(笑)。
ナルシッサはなおも、杖をしまうように言いますがハリーが言うことを聞かないので
「ダンブルドアのお気に入りは自重することを教えなかったのね。いつでもダンブルドアガ助けてくれると思ったら大間違いよ」とのたまいます。
ハリーも負けていません。
「そう、いないさ。じゃあやってみろ!お前たちにアズカバンにペアで部屋を用意してくれるだろうさ!負け犬の夫と一緒にな!」
マルフォイが怒って何かを仕掛けようとしますが長すぎるローブでこけてしまいます(苦笑)
「母にそんな口をきくなんて許せない!」
ナルシッサは息子をなだめ、
「ポッターは愛しのシリウスともうすぐ会えるでしょう。私がルシアスと再会する前にね」
ハリーは杖を思わす振り上げますが、ハーマイオニーに制されます。
マダム・マルキンはオロオロしていましたが、何事も無かったように仕事を続けようとします。しかしマルフォイの腕にうっかりピンを刺してしまいます。
マルフォイは激怒し、ナルシッサはハーマイオニーを一瞥し、
他の店へと去っていきます。
その後、ハリーとハーマイオニー、ロンのローブのフィッティングをするのですがマダム・マルキンは混乱が収まらず、ハーマイオニーに魔女用ではなく男物のローブを売ろうとしたり。彼らを送り出してほっとしているマダム・マルキンの気配を三人は背後に感じていました。(続く)
<その1>
ハリーは隠れ家の中という制限の中ではありましたが、あとの数週間をロン、ハーマイオニー、ジーニーと果樹園で2対2でクイディッチをしたりして何事もなく平穏にすごしました。
世間ではやはり殺人事件が起きており、時折ビルやウィーズリー氏がProphet誌が届くよりも早く、その事件の内容を教えてくれたりもしました。
ハリーの16才の誕生日は、以前よりも一層精気を失いやつれ果ててみすぼらしくなったルーピンの登場で雰囲気ぶちこわしに(涙)。
ルーピンによるとまたディメンターによる新たな事件が2件発生した、という。
北部の小屋の中で、アイガー・カラカロフの遺体が見つかり、それ以前から闇の刻印も見つかっていた。
ウィーズリー氏によると、シリウスの弟であるレギュラスでさえ、刻印されてから数日しか持たなかったのに、カラカロフは一年も持った。驚くべき事だ、と言います。
同じように、ダイアゴン横町でも事件は起きていました。
フロリアン・フォーテスキュー(アイスクリーム屋さん)。
オリヴェンダーの店。(魔法の杖店)。
ともに主人が行方不明。
魔法の杖は他でも調達できますが、オリヴェンダーが一流のお店なのです。(byルーピン)
誕生日の翌日、ホグワーツから書類と新しい教科書のリストが届きます。
ハリーはクイディッチのキャプテンに任命され、キラキラ輝くバッジを手に入れました。
ハーマイオニーによると、ハーマイオニーたち監督生たちと同様の特権を手に入れることが出来るらしい。
そのひとつは、特別な浴室を使うことが出来ること、らしい。
リストをみて、ウィーズリー夫人は早くダイアゴン横町へ出かけて必要なものをそろえなければ、と言います。
今度の土曜日、ウィーズリー氏を伴って出かけることに。
ロンは「アイスクリーム屋さんの棚の影から、例のあの人が出てきたりしないよね?」などと怯えてウィーズリー夫人から叱られてしまいます。
「じゃぁ私が代わりに買ってきてあげましょうか」
「やだ、フレッドとジョージのお店に行きたいんだもん」
土曜日の朝、みんな緊張している中、ビルがハリーにお金で一杯の袋を渡します。
ビルはハリーの代わりに、金庫にお金を取りに行ってくれたのです。
それも、通常はとても時間がかかるところを特別待遇で処理してもらったらしい。
ビルがいる間はフルールの相手をしなくていいのでみんなは助かっています。(笑)
お礼を言うハリー。
フルールは「この人ったらとっても思慮深いのよ♪」とビルの鼻をナデナデ。
その後ろでジニーはオエっという仕草をしてハリーは思わず吹き出しそうに。
その日はどんよりした雰囲気の日。
警戒態勢下のため、魔法省から調達した2シートのゴージャスな車が用意されます。
それはウィーズリー家のためではなく、「選ばれし者であるハリーの安全のため」なんだとか。
ハリーはaurorたちに大げさにガードされた状態での買い物は気が進みません。
ハリーはダンブルドアに言われたとおりに隠れ蓑コートをリュックに詰めて携帯しています。
やがてダイアゴン横町の「漏れ鍋屋」のそばで車が停車します。車はここで彼らの買い物が済むのを待つようです。
時間は2時間、とウィーズリー氏。
ハグリッドが現れます。相変わらずの骨の折れそうなハグを交わします。
「安全策って、ハグリッドのことだったんだね!」とハリー。
「魔法省の連中はaurorどもを送ってよこすと言ったんだが、ダンブルドアが、この俺がやるからいいって言ってくれたのさ」と嬉しそうに言うハグリッド。
「漏れ鍋屋」はハリーが初めて訪れたときとは大分様子が変わっていました。
店主のトムは憂鬱そうで、ハリーたちがただ通り過ぎるだけだと分かると、黙々とグラスを磨き始めます。
ダイアゴン横町自体が様変わりしていました。以前の様な活気は無く、店のディスプレイも魔法省の警告の張り紙やベラトリクス・レストランジェの動く指名手配写真で隠れてしまっています。
窓が閉まっている店もあります。一方、みすぼらしい小屋が何件も立ち並んでいます。
「オオカミ人間、ディメンター、インフェリに効果的」というメモが貼ってある店も。
怪しげな店の主人がジニーに首飾りを奨めると
ウィーズリー氏は「勤務中だったらただではおかない」と怒ります。
今は取りあえず時間が無いので、マダム・マルキンの店で新しいローブを手に入れなければなりません。
皆で同じ所に行くのは効率が悪いので、夫人の提案で子どもたちはハリー、ハーマイオニー、ロンはハグリッドと行動を共にしてもらい、ジニーと両親はみんなの分の教科書を買いに行くことに。
ウィーズリー氏は心配でしたが、ハグリッドは快諾し、別行動に移ります。
ダイアゴン横町を行き過ぎる人々は皆、足早で何かに怯えているよう。みんなグループ行動をしており、一人でいる者はいません。
マダム・マルキンの店に入ると、何やら聞き覚えのある声。
「子どもじゃないんだから、お母さん。自分の買い物くらい自分で出来るって」
「お母様は正しいですわ。もはや、お一人でうろうろ歩き回ってはいけないんです。
子ども扱いとか、そういうことでは−」とマダム・マルキン。
「いいから、ピンを刺さないように気をつけろ!」
マルフォイが、立派なグリーンのローブを身につけ、鏡に映る姿をチェックしていました。
ハリーたちに気づき、
「なんか臭うと思ったら、お母さん『汚れた血』が入ってきたよ」
マダム・マルキンがマルフォイに言葉を慎むように注意し、ハリーたちが杖をマルフォイに向けているのを見て、店で杖を抜くのは許さないと言います。
ハーマイオニーは、ハリーを止めようとします。
ナルシッサはハリーたちの元へやってきて、止めないと最後の手段を使わなければならないと言います。
ハリーは歩み寄ってベラトリクスと似たその傲慢で青白い顔をのぞき込み、
「へぇ、デス・イーターのお友達を送ってよこすってか?」と凄みます(笑)。
ナルシッサはなおも、杖をしまうように言いますがハリーが言うことを聞かないので
「ダンブルドアのお気に入りは自重することを教えなかったのね。いつでもダンブルドアガ助けてくれると思ったら大間違いよ」とのたまいます。
ハリーも負けていません。
「そう、いないさ。じゃあやってみろ!お前たちにアズカバンにペアで部屋を用意してくれるだろうさ!負け犬の夫と一緒にな!」
マルフォイが怒って何かを仕掛けようとしますが長すぎるローブでこけてしまいます(苦笑)
「母にそんな口をきくなんて許せない!」
ナルシッサは息子をなだめ、
「ポッターは愛しのシリウスともうすぐ会えるでしょう。私がルシアスと再会する前にね」
ハリーは杖を思わす振り上げますが、ハーマイオニーに制されます。
マダム・マルキンはオロオロしていましたが、何事も無かったように仕事を続けようとします。しかしマルフォイの腕にうっかりピンを刺してしまいます。
マルフォイは激怒し、ナルシッサはハーマイオニーを一瞥し、
他の店へと去っていきます。
その後、ハリーとハーマイオニー、ロンのローブのフィッティングをするのですがマダム・マルキンは混乱が収まらず、ハーマイオニーに魔女用ではなく男物のローブを売ろうとしたり。彼らを送り出してほっとしているマダム・マルキンの気配を三人は背後に感じていました。(続く)
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