人種差別を助長するという理由から絶版になっていた
絵本「ちびくろさんぼ」が復刊するそうですね。
おめでとうございます。

私も幼少時、あの赤い装丁の岩波書店版を愛読させて頂きました。
懐かしさとともに、情報ソース豊かな現代のお子様たちに
「正しく」受け入れられることをお祈りいたします。

で、差別云々ですが、岩波版の絵柄からして、
黒人というか肌の色が濃い人種に対して、ある程度の差別意識、
またはステロタイプな見解があったのでは、ということは、
正直、大人になった今では否めないこともたしかです。
これを読んだ児童は少なからず肌の色の違う人を記号的にとらえてしまう羽目になったことも理解できます。

で、子ども時代、私自身これを読んで何を思ったか。
「私も虎のバターで作ったホットケーキ、山積みしてたべたぁ〜〜〜い!!
さんぼ、うらやましすぎ。(←今風・笑)」

こんなもんでしょう(爆)。

そして、日本人の方が描いたという挿絵に関しては、
可愛らしくて何度も読み返した記憶があります。

可愛く描かれているから許されるのか、という問題もありまね。
たとえば、日本人が
’Tiny little yellow monkey’なんてタイトルの絵本で、
出っ歯でつり目(白人さんがとらえるステロタイプな黄色人種)で着物をだらしなく来た子どもに描かれていたら、
日本の文化からは到底考えられない宗教観で神秘的に描かれていたらどう思うか、なんですけど…

まぁ、卑屈に苦笑いするしかないですねぇ(笑)。

実家に帰ると昔の絵本がわんさかあって、
アラビアンナイトの絵本なんかスゴイですよ。
「気味の悪い○×んぼうとおきさきがなかよくしていたのです」
「王様は(無抵抗の)○×んぼうにきりつけてころしてしまいました」
もちろん王様はヒーローに描かれています(絶句)。
今だったら焚書モノです。

今の時代、先にも描いたように情報がいらんほどあふれて居るんだから、子どもだって自分で正しい世界観を築くでしょう。
一番始末に困るのは、復刊したからといって「良いもの」だと思いこむことですな。
その辺のチョイスは冷静にしてあげたいものです。

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