アンサンブル演技ものに弱い私。
不覚にも涙がだだ漏れ。

「母」だって人間だ。
聖母のような瞬間だってあるし
鬼畜のようになるときもある。
自分のことを第一に考えてくれるのが当然と信じて疑わなかったのに、実は「母」は一番身近な他人だと実感して愕然とすることもある。
でも、誰もそれで良いのだとは言ってくれない。

「有名になりたい。もっと良く、強くなりたいとずっと願ってきた。」
そんな母を持った子どもはやはり不幸なんだろうか。
人間なら、向上心を抱くのはあたりまえのこと。
家庭に入ることは自分を殺すことなのか。
死んだジャックへの気持ちを捨てきれないのではなく、
自由だった自分への思いの方が強かったヴィヴィ。

映画の中では、ヤァヤァ・シスターズという「過去」の目撃者が大勢いて「母」を弁護してくれる。
こうなればいいなぁという結末に落ち着く映画は見ていて気持ちが良いものだ。

現実はそんな恵まれた人ばかりじゃないし、
私には少なくともヤァヤァ・シスターズはいない。
けれど、少なくとも、嫌な思い出が良い思い出を凌駕して子どもたちを苦しめることの無いようにしたいものだ。
だめな母でも、それだけは肝に銘じておこう。
自分の葬式の時には、少しでも宝石のような思い出を呼び起こしてもらうために(なんだそりゃ)。

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