ISBN:4167602075 文庫 桐野 夏生 文芸春秋 2004/12 ¥590
ハードカバーか文庫かと言われれば迷い無く
「文庫本派」です。
仰々しい装丁と質感に騙されるのはイヤなのと、持ち運び便利さが最優先な実用派なのです。
いつでも読みたいときにバッグに忍ばせていたい。
ハードカバーで読みたい本があっても殆ど買わず、文庫化を待ちます。
で、待ち続けたこの作品。
やっと読むことが出来ました。
幼女失踪事件という悲痛な事件から端を発するお話なのですが
謎解きミステリーかと思いきや実はそうでは無かったのが意外というかちょっとがっかりかな。
子を失った家族、愛欲の果てに崩壊する理想の家庭、死に行く人間と生きながら死んでいるも同然の人間たちをひたすら乾いた視線で切り込むように描いていく。
結局、最後まで誰が犯人なのかハッキリしたことは分かりません。消去法でいけば絞り込むことは出来るのですが、それよりなにより、「跡形もなく忽然と消失してしまった」ことへの納得の行く説明が欲しかったかも。
母親の情事を身近に察し。「母に捨てられた」と感じる5歳児の孤独と絶望感。
手を下したのが誰であろうと、彼女の救いは「死」しかなかったのかもしれないと思うと、主人公の犯した罪の深さは許し難い。
小説を愉しむと言うよりは、エゴイストばかりの登場人物に腹が立ったかな。それは小説としてものすごく良くできているとも言えるけれど、あまりの後味の悪さに少し閉口気味デシタ(-_-)。
ハードカバーか文庫かと言われれば迷い無く
「文庫本派」です。
仰々しい装丁と質感に騙されるのはイヤなのと、持ち運び便利さが最優先な実用派なのです。
いつでも読みたいときにバッグに忍ばせていたい。
ハードカバーで読みたい本があっても殆ど買わず、文庫化を待ちます。
で、待ち続けたこの作品。
やっと読むことが出来ました。
幼女失踪事件という悲痛な事件から端を発するお話なのですが
謎解きミステリーかと思いきや実はそうでは無かったのが意外というかちょっとがっかりかな。
子を失った家族、愛欲の果てに崩壊する理想の家庭、死に行く人間と生きながら死んでいるも同然の人間たちをひたすら乾いた視線で切り込むように描いていく。
結局、最後まで誰が犯人なのかハッキリしたことは分かりません。消去法でいけば絞り込むことは出来るのですが、それよりなにより、「跡形もなく忽然と消失してしまった」ことへの納得の行く説明が欲しかったかも。
母親の情事を身近に察し。「母に捨てられた」と感じる5歳児の孤独と絶望感。
手を下したのが誰であろうと、彼女の救いは「死」しかなかったのかもしれないと思うと、主人公の犯した罪の深さは許し難い。
小説を愉しむと言うよりは、エゴイストばかりの登場人物に腹が立ったかな。それは小説としてものすごく良くできているとも言えるけれど、あまりの後味の悪さに少し閉口気味デシタ(-_-)。
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