なんだか日記と言うよりは回顧録みたいになってますが(苦笑)。

「アラベスク」「妖精王」等で有名な山岸涼子氏の作品です。
聖徳太子の少年時代を描いたものですが、厩戸王子(少年時代の聖徳太子)は実は超能力の持ち主という設定。その特殊な能力故に実の母からも疎まれ愛に飢えながら、飛鳥時代の権力闘争の背後に暗躍し、ついには大王の摂政という政治の実権を握るまでが描かれています。

が、実は苦悩する少年が精神的な葛藤とかなわない愛を経験して成長していく物語でもあったりして。

時の豪族、蘇我馬子の長男でありながら、ひたすら純粋な蘇我毛人を精神的な縁としながら、特殊な能力を持つ自分の在り方を時には少年らしく自暴自棄になりつつも時代の流れに身を投じていく。

…ぶっちゃけた話、つまりですね、厩戸は毛人に恋をしてしまうんですね(爆)。
当然毛人はノーマルで、女性のように美しい厩戸に半分懸想しながらも、女性もいるわけで(当時は一夫多婦制)。
その毛人が巫女に真剣な恋をしたときの厩戸の猛烈なジェラシーと女でも考えつかないネチネチした策略に、毎月LaLaを買うたびに女子高生どもは大変盛り上がりました。
日本史の飛鳥時代だけ、妙に人物関係に詳しくなりました(苦笑)。

そういう女子的な盛り上がりもさることながら、山岸氏の、画の隅々にあますことなく表れる綿密な時代考証には感服です。

夢枕漠氏著「陰陽師」の安倍晴明と源博雅の関係は、この作品の厩戸&毛人の関係からインスパイアされているそうです。

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