予告編を見て、そこですでにぞくぞくするような期待感。
「ブラベア」同様、くまにトランスフォームしてしまうイヌイットの少年のお話だ。

もしかしたら、「ブラベア」の世界観を補足してくれるような、
感動の相乗効果を期待して子供らの夏休みを目の前に滑り込み鑑賞。

…だけど、ちょっと違ったかも。
まず、白くまがイヌイットの赤ちゃんを育てることになったきっかけが気にくわない。
だって、「誘拐」なんだもの。
「アイスエイジ」のような、不可抗力ならいざ知らず。
生まれたばかりの抵抗力のない裸ん坊の赤子を氷海に連れ出すなんて許せないのだ、人間として。
父熊曰く「母親の悲しみが怖い」…あたりめーだ。

それにこの母熊、ちびクマに捕らせた餌を真っ先に食べちゃうのがね…。なんか悲しいですよお。
毛皮のない人間の子どもに氷海にもぐってアザラシ捕れだの、
あんたあまりに鬼母ちゃう?
それが自然の厳しさなんだっていわれりゃそれまでだけど、
やっぱ所詮けものだわ、人間の生活の方がいいよ、とか思ってしまうのはいけないことかしら。

奇しくも同じ時間に死に、生まれたくまと人間の子どもの運命の物語っていえばまああれだけど、
「精霊」を半ば迷信としてしまっているイヌイットの中途半端な世界は、なんだか既にあまり魅力的でないのでした。

コメント