上の子は友達と遊びに行っちゃうし
お天気も悪くて外で遊べない下の子が退屈して引っ張り出してきたビデオ。
私はお気に入りの一本なので何度となく見ているが、
子どもは初見。
どんな反応示すのかなぁと重いながら一緒に鑑賞。

まず、見始めて5分後、彼女の最初の質問は
「ムーランって、おひめさまなの?」

…残念ながら違うので、
「違うよ、ふつーの中国の女の子だよ」というと
少なからず彼女の期待度はぐんと下がってしまったようだ。

やはり、子どもにとってビジュアル的に美しい、カワイイということは重要なことのようだ。
ムーランは美人でもなんでもない、ちょっとすっとんだ女の子。
保守的な世界の中で「役立たず」の自分にかなりコンプレックスを抱えている。
そのキャラクターに共感できないとムーランのキャラデザインはビジュアル的にかなりキツイ。

戦争というバックグラウンドも、かつてのディズニーの感覚で見てしまうと非常にハードで違和感がある。
戦争に負ければ「死」という「楽しい」「面白い」の世界とはかけはなれた事実と直面しなければならない。
ムーランたちが戦争の惨状を目の当たりにするシーンは
散乱する味方の遺体を遠景にさらっと見せるなど、最大限ソフトに押さえてあるけれど幼い子の鑑賞は少々無理があるかもしれない。

冒頭、嫁入りの修行をしているムーランはほんとうになんの取り柄もなさそうな魅力のない女の子だ。
しかし髪を切り、男装して父の代わりに出征していく彼女の変化はすばらしい。
人間が自ら決心し、行動を起こすときのすがすがしさと美しさ。
それは、どんなに造形が優れた「おひめさま」よりも生き生きとして、キュートでカッコイイ。
我が子は、その「かっこよさ」には相当惹かれたようだ。

何よりも名誉を重んじるムーランの父が、
皇帝から授与された勲章や剣ををほっぽって娘を抱きしめるシーンは、何度見てもじ〜んとしてしまう。
おまけに、「王子さま」がやってくる「おひめさま」的ハッピーエンドも待っている。

噂では「ムーラン2」も企画にあがってるそうだけど、フロリダスタジオ閉鎖したからって、手抜き絵だけはカンベンしてね、ディズニーさん。

コメント